近年の子宮頸がんについて
子宮がんは、子宮の入り口付近に発生する「子宮頸がん」と子宮の
奥の部分に発生する「子宮体がん」の2つに分けられます。
近年、子宮頸がんは若い世代(20~30代)で急増しています。
全世代では乳がんの次に多いがんですが、20~30代のがんの中では
もっとも多く、日本では年間約11,000人の女性が発症、約2,900人
の女性が亡くなっていると報告されています。
子宮頸がんを発症しても、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、早期発見には定期的に検診を受けることが必要です。
2年に1回は必ず検診を受けるようにしましょう。
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮頸部(子宮の入口)にできるがんです。
子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、しばしば発見が遅れてしまいます。がんが進行すると不正出血や性交時の出血などがみられます。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因となって発症します。発がん性HPVは性行為により感染しますが、特別な人だけが感染するのでなく、多くの女性が一生のうちに一度は感染するごくありふれたウイルスです。
通常はウイルスに感染しても、異物を排除する免疫機能により排除されますが、ウイルスが排除されずに長期間感染が続く場合があり、ごく一部の人の細胞ががん化する事があります。
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)接種による感染の予防
発がん性HPVの中で、HPV16型、HPV18型は特に前がん病変や子宮頸がんへ進行する頻度が高く、進行も速いと言われています。
しかし、HPV16型、HPV18型の感染は、HPVワクチンによって予防することができます。このように、子宮頸がんでは、原因であるHPVに感染しないことと、がん検診による早期発見・早期治療で、結果的に子宮頸がんによる死亡を防ぐことができます。
このことから、子宮頸がんは最も予防しやすいがんであるといえ、十分な効果を得る為には3回の接種が必要です。
HPVワクチンの注意事項
HPVワクチン接種後には、多くの方に接種部位の痛みや腫れ、赤みなどの症状が起こることがあります。
HPVワクチンの費用について
●HPVワクチンの費用
接種回数 | ワクチンの費用 |
---|---|
1回目 | 16,000円 |
2回目・3回目 | 15,000円 |
●HPVワクチンの定期接種
小学6年生~高校1年生の年齢に相当する女の子(12歳の誕生日を含む年度当初から16歳の誕生日を含む年度末まで)は、HPVワクチンを公費で受けられます。ワクチンの種類によって接種の間隔が少し異なりますので、1度来院していただき、医師と相談して日程を決めます。どちらも半年〜1年の間に3回接種を受けます。
※接種には保護者の方の同意が必要です。